カリフォルニア・レーズン協会 一般消費者向けページ

■2018年06月29日■

「第26回 カリフォルニア・レーズン ベーカリー新製品開発コンテスト」
3部門の大賞はフランソアの指方 明日美氏とポンパドウルの内海 美鶴氏、
ラ・タヴォラ・ディ・オーヴェルニュの松岡 瞳氏に決定!


カリフォルニア・レーズン協会は、2018年6月22日(金)、23日(土)の両日、「第26回 カリフォルニア・レーズンベーカリー新製品開発コンテスト」の最終実技審査を日本パン技術研究所(東京都江戸川区)にて実施し、大賞3名を含む合計11名の入賞者を決定、表彰しました。

本コンテストは、カリフォルニア・レーズンを使った新製品の開発とその商品化を目的に実施、26回目の今年は、「ホールセール/コンビニエンス製品部門」(工場生産ラインで製造、完全包装し、卸で販売するパン)、「フレッシュ/インストア/リテール製品部門」(ベイクオフやオールスクラッチなどで生産し、無包装で販売するパン)、カリフォルニア ミルク協会の特別協賛による「カリフォルニア産チーズ部門」(カリフォルニア産チーズとカリフォルニア・レーズンを使用したパン)の計3部門で作品を募集しました。その結果、日本全国から計158作品の応募があり、第一次書類審査で選出された21名のファイナリストが最終審査に臨みました。

ファイナリストたちは2日間に渡る計7時間以内に作品を製作し、作品の製作意図や特長などについてのプレゼンテーションと質疑応答、試食審査が行われました。審査は製パン技術関係者6名の他、カリフォルニア・レーズン協会駐日代表のジェフリー・マクニールが審査員長を務め、カリフォルニア ミルク協会駐日代表の天野いず美氏が特別審査員として参加し、行われました。また、公募により選ばれた一般消費者10名による、「味、見た目、価格」を基準に「自分が買いたいレーズンパン」を選ぶ消費者代表審査も行われ、各部門で最高点を獲得した作品が「消費者推薦賞」を受賞しました。

審査の結果、カリフォルニア・レーズン大賞は、ホールセール/コンビニエンス製品部門ではフランソア 指方明日美氏の『秋のご馳走』が、フレッシュ/インストア/リテール製品部門ではポンパドウル 内海美鶴氏の『カフェ・オ・レザン』が受賞しました。カリフォルニア産チーズ部門では、ラ・タヴォラ・ディ・オーヴェルニュ 松岡瞳氏の『3種チーズと彩り野菜のミルフィーユ ~ふるさとの味~』が、カリフォルニア・チーズ大賞に選ばれました。この3名を含む11名の入賞者には、楯と、カリフォルニア・レーズンの故郷「カリフォルニア州フレズノへの研修旅行」が贈られました。

入賞者全員と審査員

表彰式では、カリフォルニア・レーズン協会駐日代表 ジェフリー・マクニールが、「このベーカリーコンテストは今回で26回目を迎えました。これまでのコンテストで数多くの才能あふれるブーランジェの皆様と一緒に取り組んでこられたことは、カリフォルニア・レーズン業界として大変名誉なことです。過去の当コンテストの入賞者で、その後クープ・デュ・モンドなどパンの世界大会の日本代表に選ばれた方が何名かいらっしゃいますが、今回のファイナリストの中にも、そういった世界大会に挑戦する方が出てくることでしょう。パン作りで名高いフランスをはじめ、世界各国を訪れた私自身の経験から申し上げますと、日本の製パン技術、またブーランジェの質は世界ナンバーワンだと言えます。日本には今、世界各国からも観光客が押し寄せています。2019年に開催されるラグビーワールドカップ、また2020年の東京オリンピックは、日本のブーランジェの優れた製パン技術や世界レベルのパンが作られていることを示し、世界中により多くの日本のパンのファンを増やす、またとない機会になることと思います」と挨拶しました。

特別審査員のカリフォルニア ミルク協会駐日代表 天野いず美氏は、「今回初めて特別協賛として参加させていただき、貴重な体験でした。カリフォルニア産チーズ部門へご応募いただいた方々には、食品表示ラベルでは原産国が表示されるため米国産チーズであれば容易に探せる中、さらに時間をかけてカリフォルニア産チーズであることをきちんと確認し、使用していただいたことに感謝申し上げます。フードビジネスに約25年携わっておりますが、今日ほどドライフルーツやチーズが健康的な食品として認知されるとは期待していませんでした。今回のファイナリストによるプレゼンテーションの中でも、健康を重視した製品開発をしている方が多く、感銘を受けました」と述べました。

また、審査員を代表して、一般社団法人日本パン技術研究所 常務理事 井上好文所長が、「21名のファイナリストの皆様には、カリフォルニア・レーズン、そしてカリフォルニア産チーズの特長を充分に把握した、魅力的な製品を披露していただきました。久しぶりに、パンを通じて感動する機会をいただきました。今回は、半分近くの作品で、米や味噌、出汁など、和の素材と合わせる試みをしていました。これは、日本独自のパン食文化をさらに発展させるために、非常に重要な取り組みであると感じました。また、新製品の開発には、商品のネーミング、あるいは解説が重要であると改めて感じました。最終審査に残った21作品は、パンが持っている膨大な潜在能力の一端を消費者にアピールすることができる、極めて貴重な製品になるでしょう」と、総評を述べました。

入賞作品は、今後順次、店頭に並ぶ予定です。発売情報は、決定次第ご報告いたします。

カリフォルニア・レーズン協会では、今後もコンテストやセミナーを通して、カリフォルニア・レーズンの使い方、新製品開発のアイデアなどを積極的に提供して参ります。これまでの各コンテストやセミナーで紹介したレシピ等は、こちらに掲載しています。

入賞作品

(※所属企業・団体名の敬称略)

【ホールセール/コンビニエンス製品部門】

◆ カリフォルニア・レーズン大賞

指方 明日美(さしかた あすみ)氏(株式会社フランソア)

作品名:秋のご馳走

秋に収穫される、カリフォルニア・レーズン、栗、アーモンドをつめこみ、秋の味覚を一度に味わえる贅沢な菓子パンに仕上げました。この3つの素材の中でも、レーズンをメインにすることで、味のバランスをとっています。
折り込みのレーズンは、食感を残すため、シンプルにラム酒とシナモンで味付けをし、粒が潰れないように成形しました。マカロントッピングの中には潰したレーズンを入れ、風味を出すことで、どこから食べてもレーズンが感じられるように工夫しました。

【受賞者のコメント】
商品名にもあるように、秋に収穫されるレーズン、栗とアーモンドを使用して、贅沢な作品に仕上げました。その中でもレーズンを主役として味にまとまりが出るように工夫しました。レーズンの折り込みは、ラムとシナモンを合わせてシンプルに仕上げました。全体でレーズンを楽しめるような作品にしたかったので、上のマカロントッピングの中につぶしたレーズンを入れて、どこから食べてもレーズンの味が楽しめるように仕上げました。


◆ カリフォルニア・レーズン金賞

遊佐 貴和子(ゆさ きわこ)氏(敷島製パン株式会社)

作品名:濃厚レーズンデニッシュブラウニー 2本入

「カリフォルニア・レーズンの美味しさ×定番のブラウニー×新感覚のデニッシュ」をテーマに作りました。レーズンは、食感と甘さを同時に楽しめるよう、粒の大きさが違う大小2種類をブレンドし、コーヒーパウダーとブランデーで漬け込んでいます。口に入れるとデニッシュのようにホロッとした食感、噛みしめるとみずみずしいレーズンがはじけ、後からレーズンの甘さと、チョコレートとコーヒーの濃厚さが広がります。


◆ 消費者推薦賞

伊藤 良太(いとう りょうた)氏(株式会社神戸屋)

作品名:レザンオランジュ

歯切れの良い、ふんわり、しっとりした食感が特長の生地を使用。カリフォルニア・レーズンとオレンジは、オレンジ濃縮果汁に一晩漬け込んで使用することで、レーズンの甘さをより引き出し、オレンジカットの苦味がアクセントになるようにしました。表面に、オレンジミンチ入りのマカロン生地をトッピングして焼くことで、柑橘の爽やかな香りとサクッとした食感を出しました。どこからでもレーズンの果肉がしっかりと味わえるようツイストしたことで、食べやすい形状になりました。


【フレッシュ/インストア/リテール製品部門】

◆ カリフォルニア・レーズン大賞

内海 美鶴(うつみ みつる)氏(株式会社ポンパドウル)

作品名:カフェ・オ・レザン

長く愛されるパンとして、日常よく飲まれているコーヒーを使用しました。コーヒーを少し渋くし、大人がおやつとして食べるパンを考えました。ブラックコーヒーに漬け込んだカリフォルニア・レーズンは生地に練り込み、フィリング等で使用するレーズンはカフェ・オ・レ風に仕上げました。また、ホワイトチョコレートを入れることで味をマイルドにし、またレーズンの風味がコーヒーに負けないようにしました。

【受賞者のコメント】
このコンテストには初めて応募しました。いきなり大賞を受賞でき、驚いています。
カリフォルニア・レーズンは、アメリカではよく食べられている食材で、コーヒーも毎日愛飲されているので、日々食べているものを掛け合わせようと思いました。レーズンの前処理は、レーズンを蒸してふっくらさせたものをコーヒーに一晩中漬け込みました。生地にそのまま練り込むと老化が起こると考え、蒸して処理することで老化を少しでも遅らせることと、風味をさらによくすることを考慮しました。


◆ カリフォルニア・レーズン金賞 / 消費者推薦賞(ダブル受賞)

横田 雄輔(よこた ゆうすけ)氏(沖縄製粉株式会社)

作品名:レーズンのチャバッタ ~カリフォルニアからミラノへ~

ジューシーなカリフォルニア・レーズンをチャバッタにたっぷり練り込みました。程よい酸味と甘みがあるしっとりレーズンの存在感を、確かに香るオリーブオイルとバジルが多角的な次元に押し上げます。チャバッタ特有の、モチモチしながら歯切れの良い食感が、肉、野菜、チーズ、フルーツなど、どんな具材との共演も後押しします。


◆ カリフォルニア・レーズン特別賞

森 良将(もり よしまさ)氏(株式会社中市大福堂)

作品名:シャルドネ レーズン キャラメリゼ

カリフォルニア・レーズンをたっぷり使用して、スイーツを彷彿とさせるようなパンを目指しました。レーズンの魅力を最大限に活用するため、あえて甘くない生地を使い練り込んで、上部にもたっぷり載せました。レーズンをキャラメリゼしたリングを合わせて、飽きのこない味わいに仕上げました。

市川 美月(いちかわ みづき)氏(ラ・タヴォラ・ディ・オーヴェルニュ)

作品名:アテット レザン ~黒蜜きな粉~

今回の作品では、カリフォルニア・レーズンを練り込んだ生地でブリオッシュアテットの成形に挑戦しました。また、カリフォルニア・レーズンの食感が楽しめるように粒のままたくさん入れ、黒蜜ときな粉で和テイストの味にまとめました。

塩田 修(しおた おさむ)氏(株式会社ドンク)

作品名:シャイン ~西海岸の陽を浴びて~

食事の主役になり十分に満足することのできるパン、また西海岸の太陽をさんさんと浴び食物が育まれた大地をイメージして作りました。ペースト状にしたカリフォルニア・レーズンを練り込んだ生地を、レーズンペーストの入っていない生地で巻くことで、パリッとしたクラストとしっとりした中身という、異なる2層の食感を味わえます。レーズンの甘み、オレンジの酸味、ベーコンの旨味を楽しめるパンです。


【カリフォルニア産チーズ部門】

◆ カリフォルニア・チーズ大賞 / 消費者推薦賞 (ダブル受賞)

松岡 瞳(まつおか ひとみ)氏(ラ・タヴォラ・ディ・オーヴェルニュ)

作品名:3種チーズと彩り野菜のミルフィーユ ~ふるさとの味~

“美味しくて、目でも楽しめて、飽きない…そして体に嬉しいパン”をテーマに考えました。カリフォルニア・レーズンやカリフォルニア産チーズ、野菜その他を含め10品目の食材が摂れる、サラダ感覚のパンに仕上げました。また、生地に米粉を使用することで、サクッ、もちっとした食感と、チーズのパリッとした食感も楽しめます。カリフォルニア産のチーズとレーズン×日本の米粉ときんぴらごぼうが一つにまとまり、お互いのふるさとを感じられるパンです。

【受賞者のコメント】
今回が初めての応募で、大賞と消費者推薦賞をダブル受賞でき、大変うれしいです。見た目のインパクトと彩り、味の美味しさにポイントをおき、何度も食べたいと思っていただけるような作品に仕上げました。チーズをたくさん使いながらも、レーズンの甘さによってバランス良く仕上げることができたと思います。また、健康が注目されている時代だからこそ、プロとして栄養価の高いパンを作ろうと思い、チーズとレーズン、たくさんの野菜を使い、栄養面にも着目しました。チーズの濃厚な味ときんぴらごぼうの塩味のバランスを保ってくれるのがカリフォルニア・レーズンの甘さだと思い、レーズンは何にも漬け込まず洗っただけの状態で使いました。


◆ カリフォルニア・チーズ金賞

野崎 桃子(のさき ももこ)氏(株式会社ドンク)

作品名:カリフォルニア・フロマージュ・レザン

カリフォルニア・レーズンと言えば干しぶどうの王様であり、広大なぶどう畑をイメージした作品です。赤ワインで漬けたレーズンの爽やかな甘みと塩気のあるチーズで、相乗効果の美味しさを持たせ、はちみつバターでソテーしたサツマイモとクルミ、ゴマの香ばしさが加わり、バランスのとれた食事パンに仕上がりました。


◆ カリフォルニア・チーズ特別賞

堀田 圭介(ほった けいすけ)氏(株式会社広島アンデルセン)

作品名:フロマージュ・フルール ~レーズンとパプリカのヴィネグレット添え~

レーズンピューレを配合したフランスパン生地で、たくさんのカリフォルニア・レーズンとチーズ、パプリカを使い、彩り豊かなお花をイメージして作りました。レーズンピューレを使用することで薄皮になり、軽い食感に仕上げました。また、焼き上げ後に再びチーズをトッピングして焼くことで、溶けても固まりにくいカリフォルニア産チーズの特長を活かしたメルティーな食感も楽しめます。