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レーズンに結腸がんの予防効果

天日乾燥でつくられたレーズンに含まれる酒石酸と食物繊維の組み合わせは、大腸の機能と腸内環境を健康に保つために大きな役割を果たし、またそれらの働きによって結腸がんの予防効果を示す事が示唆されました。


結腸がん予防研究:
「天日乾燥レーズンの胆汁酸排泄、腸内通過時間および排便量に与える影響・用量反応研究」
Effect of Sun-Dried Raisins on Bile Acid Excretion, Intestinal Transit Time and Fecal Weight : A Dose-Response Study

研究者:
ヘルス リサーチ アンド スタディ センター
ジーン・スパイラー博士(カリフォルニア州ロス・アルトス市)
Gene A. Spiller, Ph.D., Health Research and Studies Center, Los Altos, California

研究発表:2000年10月 米国栄養大学主催「臨床栄養学研究シンポジウム」にて発表


1日1/2カップのレーズンで大腸機能に有益な変化

スパイラー博士の研究は「天日乾燥レーズンの胆汁酸排泄、腸内通過時間および排便量に与える影響・用量反応研究」と題するもので、レーズンを摂取しない期間とその後摂取した期間における、大腸の働きの変化を比較した調査です。この結果、レーズンを1日わずか1/2カップ(84g)、食事に取り入れるだけで便秘の予防に役立つだけでなく、結腸がんなどの大腸疾患を防ぐ効果もあると考察できました。
博士は、「天日干しされたレーズンの摂取と、結腸がんの危険因子が変化することには関連があり、調査では、1日に1/2カップという少量のレーズンを食べると、結腸の機能に良好な変化が認められました。

これは、米国において結腸がん・直腸がんと診断される年間13万人ともいわれる患者の病気との闘いに役立つものです」と語っています。

日本における死亡原因の1位はがんで、大腸がん(結腸がんと直腸がん)も年々増加しています。


レーズンの酒石酸と食物繊維の相乗効果を検証

酒石酸は、ぶどうおよび熱帯地方の果実タマリンドにのみ豊富に含まれる特異的な有機酸です。摂取すると、途中で消化されずに有効量が結腸まで達し、腸内を健康な弱酸性の状態にすると考えられます。これまでの研究で、レーズンに特有のこの酒石酸と食物繊維の組み合わせは、結腸がんの予防につながると推測されてきましたが、今回の調査でその相乗効果を検証しました。例えば、レーズンを1日わずか1/2カップ摂取することで、有害な胆汁酸の濃度が理想的に低下しました。これらの結果は、レーズンが含む食物繊維量から導かれる予想数値を上回るもので、レーズンの酒石酸と食物繊維の相乗効果が、大腸の健康にいっそう役立つことを示しています。

酒石酸

調査の結果

目的

レーズンおよび乾燥果実を断った期間の後、1日当たりのレーズン量を一定的に増加していく方法で、大腸の機能と健康に及ぼす効果を調査。これによって、天日干しレーズンの効能を確認しました。測定項目は、排便量、腸内通過時間、胆汁酸。

調査方法

健康な成人男女16名を対象に、下記の通りのレーズン摂取量で実施しました。
測定内容は、各期2週目の月曜午前~金曜午前までの4日間に採取。4日間の平均を数値としました。

第1期 2週間 レーズンおよび乾燥果実を含まない食事
第2期 2週間 レーズンを毎日2×42g、計84g(1/2カップ)摂取
第3期 2週間 レーズンを毎日3×42g、計126g(3/4カップ)摂取
第4期 2週間 レーズンを毎日4×42g、計168g(1カップ)摂取

調査結果

下記の表が示すとおり、レーズンを毎日摂取すると排便量、腸内通過時間がともに変化しました。
これらの変化は、便秘の予防に役立つだけでなく、結腸がんなどの大腸疾患を防ぐ効果もあると考えられます。
また、胆汁酸の濃度は、レーズンを食べはじめた第2期に55%以上低下し、第3期以降はその値を維持しました。

腸内通過時間 便量推移

調査結果が示す有益な効果

■ 排便量の増加と腸内通過時間の短縮により、発がん物質を希釈します。
■ また、発がん物質・有害物質および代謝副産物が迅速に排泄されます。
■ がんのような腫瘍の成長を促す結腸中の胆汁酸濃度が低下します。
■ 食物繊維不足の食事が引き起こす大腸がんなどの大腸疾患や大腸障害の予防につながります。
■ 結腸内のpH値を下げ、健康な弱酸性にします。

資料出典/ CRMB調査によるHealth Research and Studies Center, Los Altos, CA 「天日乾燥レーズンの胆汁酸排泄、腸内通過時間および排便量に与える影響・用量反応研究」